目を養い、手を練り、即実践!

こんにちは。

先日、2日間のお休みをいただき、
鹿児島にあるスーパー工務店の一つ。
「株式会社創建」さんを見学に行ってきました(*^^)v

複数あるモデルハウスは、
堀部安嗣氏、若原一貴氏、趙海彦氏と
どれをとっても著名な方が手掛けたものばかり。

事務所自体も素晴らしい造りなので、
住まいのテーマパークと言っても過言ではありませんね。

そして移動の合間には中村好文氏による別荘を外から拝見したりと、
それはそれは、贅沢な時間を過ごさせていただきました。

ご協力いただいた「株式会社創建」様
本当にありがとうございました。

見学のご様子を少しずつご紹介したいと思います。

最初は、若原一貴氏設計によるモデルハウス。
こちらはすでに買い手も決まったいる物件だそうです。

真っ白な外壁に窓が一つ。植栽の影が美しく映し出されています。
実はこの面は、この建物のほぼ南側。
窓の絞り込みが凄いですね。

大きなトップライトがあるので、室内は暗いことはなくむしろちょうどよい明るさ。
土間となったリビングにある障子からの柔らかな日差しも綺麗ですね。
障子を開けると先程の植栽が、通りからの目線を遮りつつ、
室内にも美しい影を映してくれています。

小上がりとなったダイニングは、
高さを低く抑え、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
奥にウッドデッキがあるので、視線も抜けていくようになっています。
一緒に行った方々が熱心に図面を眺めていますね。

次に拝見したのは、事務所。

打合せ室の造作ソファは、後ろに窓があって気持ちよさそうです。
下にもぐりこんで、写真を撮っている人がいますが、
この手の勉強会では日常風景ですね(笑)

こちらの板張りの建物は、趙海彦氏の設計された「薩摩町家」。
広々としたウッドデッキに面したリビング。
ダイニングキッチンはデッキ側だけでなく、反対側に抜けていて、
キッチン作業がなんとも気持ち良さな空間です。

リビングの出窓は座れるようにもなっているので、
最高の居場所なのですが、今は植物に占拠されてました(笑)

川を挟んで設計されているので、お互いの距離感がたまりません!
もっと写真を見たい方はHPのこちらをご覧ください。

そしてこちらが、社長の自邸であり現在外構工事が進んでおりましたが、
平屋を2棟建てにした建物で、堀部安嗣氏の設計となっています。

この2棟の距離感は堀部氏も随分と悩まれていたそうです。

主に使うのは、奥にある建物で手前の建物の方は、
多目的に使える造りになっていました。

和室は建物南にも北にも全面開口が出来るようになっていて、
天井が低く抑えられていることにより、横への広がりをものすごく感じます。

写真の軒は、北側の中庭に向けたもので、
ここが本当に気持ちが良いのです。
和室自体が縁側のように座れるので、
ずっと座っていたくなります。

前側の建物からのアプローチは、通り土間になっていて、
奥の建物への抜けも創り出されています。
何とも贅沢な作りですね~。

奥の住まいからは、中庭と前側の建物が綺麗に見えてきます。
ダイニングテーブルに座ると、中庭と建物の瓦の波が本当に美しい!

この辺りが建物の離隔距離や高さ関係で悩まれたところなのかな~と
想像しながら拝見させていただきました。

北側に向けたお風呂からも外が綺麗眺められるようになっていましたね。
ハーフユニットバスに板張り。やっぱりきれい!

初日の見学はここまでとなり、夜は久しぶりのリアル懇親会。
美味しいお酒と料理で、翌日に残るほど吞んでしまいました(;^ω^)
でも楽しかった~。

2日目は、創建さんとは別なスーパー工務店での大工経験を経て独立。
設計から大工までこなすという信じられないようなことをやっている
「37design」さんの自邸を拝見させていただきました。

手前が自邸で、奥はお母様の住まいとのこと。
非常にコンパクトながら、実に使いやすく設計されています。

3枚目の写真は、玄関の扉とその羽目板巾に合わせて作った下駄箱だそうです。
大工ならでは視点から、ディテールばかりでなく、手間を省く工夫もされていて、
感心させられることばかりでしたね。

こちらも「37design」さんの設計・施工の建物。
外壁には炭化コルクが使用されているそうです。
屋根も複雑で折れたところで溝がずれないように、
幅を計算して特注したそうです。
マネする気が正直起きません(;^_^A

こちらは、堀部安嗣氏の処女作として有名な「ある町医者の記念館」です。
特徴的なR型の屋根で、内部は白一色。
住宅とは異なりますが、Rの中に作られた大きな正方形の障子が印象的で、
中から見たときのバランスの良さが不思議な感じしました。

私の建築知識だとうまい言葉が見つかりませんね(;^_^A

そしてこちらが、記念館の隣にある「南の家」。こちらも堀部氏の作品です。
シンプルな切妻ですが、軒が本当に低く抑えられています。
地窓の横格子がそれをより低く見せているように感じます。

内部はとてもシンプルな間取りですが、
壁一面を全てを窓とした造りが、室内から大きな広がりを感じさせてくれます。

参加した皆が額を寄せ合って、
図面や資料を見ながら、話をしています。

皆が建築が好きで、意見を出し合いながら、
建物の話をいつもしています。

このような集まりに参加すると、
いつも廻りの方に刺激を貰うことが出来るので、
本当にありがたいことだと感じています。

今回はいつも以上に盛りだくさんの内容で、
頭が整理しきれていませんが、
貴重な機会をいただき、目を養うことが出来ました。

これをしっかりと自分なりに租借し、
手を練り、少しずつでも良いのでマネしながら実践に移していきたいと思います。

同行した工務店の皆様。
そして「創建」様。

本当にありがとうございました。

家族を新居にご案内

こんばんは。
田中です。

今日は、午前中少し時間が取れたので、
工事中の自宅兼展示場に家族を案内しました(*^^)v

ロフトはおおむね形が出来、造作の本棚も完成。

勾配の一番高いところで1.4mですので、
正直大人は這って歩くようですが、
畳を敷いて、のんびり寝転びながらマンガを読みたいと思っています。
いい感じになりそうでしょ!

造作のキッチンカウンターもつきました。

写真はガスコンロ側となり、手前にはシンク側のカウンターが
これから作られることになります。

リビングとする畳コーナーは、
木製サッシの窓枠に座ることが出来るように計画しています。

娘二人と座って奥さまに撮ってもらいました(#^.^#)
幸せな時間ですね~(笑)

2階の場合は落下の可能性もあるので、大人がそばにいる必要があります。
ここと同じことをする場合には、お客様の理解を必要としますが、
実に気持ち良い空間になりそうです。
早くここでビールでも飲みたいものです。

どんどん出来てくる家を見るのは本当に楽しいですね!

大工工事も終わりが少し見えてきた感じです。
また、続きはご紹介していきたいと思います。

空気を循環させる ~心地よい空間づくりのために~

こんばんは。
田中です。

先日、自宅兼展示場で床下からロフトまでをダクトでつなぐ工事をしました。

まず1階床、1階天井、2階床、2階天井、ロフト床と穴を空けます。
覗くと穴が一直線に繋がっていますね。当然ですが・・・(笑)

そしてそこにスパイラルダクトを通します。

押さえながら固定していきます。
単純作業ながら人手が必要。そしてなぜか野島さんが妙に楽しそう(笑)

そして、セラカバーという断熱材を巻きます。
これは、行き来する空気の温度を一定に保つためです。

上から通してきたダクトに換気扇を取り付けて、
最後に床下にもダクトを入れていきます。

なぜこのようなことをするのかというと、
「家の中の空気を効率よく循環させる」ためです。

温かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きます。

この家は、2階に薪ストーブを設置しているため、
その暖気はロフトに集まります。

上に行ってしまった暖気をこのダクトを使って、
強制的に床下まで送り込むことで、
1階の床下の温度を高めることを目的としているのです。

床下は室温より少し暖かいだけで、
とても快適な環境を得ることが出来ます。

その暖気は、これから設置される床ガラリから、
室内へと緩やかに上がってくることになります。

これはそのガラリの写真です。
網の付いた格子でゴミが落ちないようになっていて、
スライドすることで、ガラリを閉じることが出来るようにもなっています。

快適な空間になりそうな感じがしませんか? (笑)(笑)(笑)

また、この換気扇は逆回転させることも出来るので、
床下の空気をロフトへと送ることも出来るようになります。

これは夏に効果を発揮します。

床下の空気は、室温よりわずかに低く保たれているので、
その少し涼しい空気をロフトに上げることで、
ロフトから涼しい空気が2階のLDKに下りてくることになります。

空気が循環するだけで、室内の空気感は変わってきますが、
暑くなりがちなロフトの室温を少し下げる効果も期待できると考えています。

更に、ロフトには夏専用で使用することを目的としたエアコンを設置することで、
2階はもちろん、そして階段を通じ1階まで涼しくする狙いがあります。

そうして降りてきた冷えた空気をダクトを通して、再度上に上げて循環させる。
これがこのダクトを設置する目的となります。

まだまだ、試験的に始めたばかりで効果のほどは検証中ですが、
家中の空気を一定に保つ効果は発揮してくれると考えています。

検証できましたら、またご紹介したいと思います。

ちなみにこの工法は、基礎断熱工法であることが基本です。
床断熱工法の場合には、床下空気は外気と同様になるので使うことは出来ません。

その辺りについては、また別の機会にお話しさせていただきます。

長文読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。