窓について考える

こんにちは。
田中です。

本日より年号が「平成」から「令和」となりました。

私が小学6年の時に昭和から平成となり、
中学、高校、大学、仕事、そして結婚と、
人勢の節目のほとんどを過ごした身としては
なんとも不思議な気分になるものですね。

さて、そんな令和元年初日のブログとして、
私が書きたいと思ったのは、
「窓について・・・」です。

何をいまさらと思う方もいるとは思いますが、
改めて考えると、窓ってものすごく多機能なものなんです。

光や風、香りを室内に取り込むことができますし、
出入りもできます。

その上、景色を楽しむことができる。

ですが、これは逆に外からも見えてしまうということでもあります。
いい面はいっぱいあるけど、
使い方を間違えると悪い面がいっぱい出てきてしまうものでもありますね。

南側だからと言って、目の前に壁があるのにそこに大きな窓をつける。
光はほとんど入ってこないし、見えるのは壁のみ。
そんな窓に意味はあるでしょうか?

設計を学んでいる建築家「伊礼智」氏の著書の中に、
「開口部(ここでは窓を指します)の目的を明確にする」
という一文があります。

景色を取り入れたいならば、見たいものだけを切り取る。
風を入れたければ、地窓にして床をなめるような風が欲しいのか、
高窓で天井付近の熱気を抜きたいと考えるのか、という形で、
主たる目的をはっきりして設計をしていくべきだと・・・。

積極的な意味を見出せない開口ならむしろ設けない!
外と内の関係をちゃんと考えるべきだと・・・

暗くなってしまうのではないかと不安になりますが、
この本を読んでから自分の設計が変わってきているのを感じています。

著書は、「伊礼智の住宅設計作法 ~小さな家で豊かに暮らす~」
興味のある方は読んでみてください。

さて、そんなことを意識をしてみると、
他の建物を見ても、自分の現場でも窓の外ばかりが気になります(笑)

下の写真は、私の自宅の隣に建てた庭を楽しむための小屋です。
通りに面しているので、ヒンプンという衝立のようなものを建てつつ、
大好きな紅葉やアオダモの木などを植えてみました。

見たい景色がないなら、造ってしまうというのも一つの手ですよね!

解放した時、格子越しに見えている時、内障子に影を映している時、
それぞれに良さがあります。

こちらは大規模リフォームの現場です。

広縁や廊下の奥に窓を設けることで視線の抜けを意識しています。
緑があると本当にきれいですよね!

同じ現場のパソコンコーナーです。
内障子をあけ放った時の解放感が出ていると思います。

ここに座って、作業の合間に外をふと眺めて、
ホッとしてくれたらうれしいな~と願い、設けた場所です。

外を感じながら、一息つける居場所をそこかしこに造ること。
それを意識しながら、設計を行っています。

こちらは先日お引渡しをした平屋住まいのお宅です。

建物奥の大きな木々が敷地を見に行った際に目に留まり、
ここ見ながら家族の寛いでもらえる場所を作りたいと考え、
最終的に畳コーナーを設けることになりました。

こちらも内障子を開け放つと、視界いっぱいに木々と空が広がります。

上の写真は、朝起きてリビングに入ると見える景色です。

障子をあけ、そのさわやかな陽射しを浴び、
「今日はテーブルじゃなくて、ここでご飯食べようよ!」
なんて会話を勝手にイメージしています(笑)

写真左上の高窓は、北側に配置なるのですが、
南の掃き出し窓を開けた際に、
高低差を利用し、より風が通りやすくなることを狙っています。

一つ一つの窓の目的を明確にする。

中々難しいですが、
より心地よい住まいをなるよう、頑張って造っていきたいと思います。

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