断熱施工について 

こんにちは。
田中です。

少し前にブログで書かせていただいた
「性能のその先・・・」について。

では、手前にある性能はどうなのか?
今回は断熱性能について触れてみたいと思います。

断熱性能は、現在UA値という数値によってあらわすことが出来ます。

数値が低い方が性能が高く、
一般的な省エネルギー基準でいうと0.87を下回る必要があります。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれる基準は
UA値を0.6以下としつつ、太陽光発電等の創エネを求められます。
その先にHEAT20という基準があり、
地域区分ごとにG1~G3まで数値が定められ、G3が現在の最高ランクです。

矢川原のある埼玉県川越市は地域区分6に該当し、
結論から言ってしまうと、
現在建築中の自宅兼展示場はUA値0.42となり、
HEAT20G2グレードとなります。

上を見ればキリがなく、
断熱材を厚くしたりサッシをより高性能なものにすることで、
矢川原でもG3を目指していくことはできますが、
それ以上に大事にしたいことがあることは先日述べさせていただきました。

では、矢川原の断熱に対しての考えた方はどうなのか?と言いますと、
G1~G2程度は最低限確保しておきたい!ということになります。
これぐらいまであれば、全館空調にも対応できるレベルだと考えているからです

そして、断熱性能を数値通りに機能させるために重要となる
気密施工をきちんと行い、そこを担保していくことだと考えています。

いくら断熱材を厚くして、計算上数値を良くしても隙間があっては、
その機能が十分に発揮されることはないからです。

展示場でいくら数値が良くても、
現場で実際に測定して初めて施工が担保されることになります。
だからこそ、一棟一棟すべて測定する形をとっています。

断熱材は、よく使うものはありますが、
「これでないとダメ!」と言った考え方はありません。

現在工事が進行している自宅兼展示場では、
弊社がこれまでよく使用している発泡ウレタンではなく、
壁にはグラス―ル(以下GWと表記します)断熱材を使用しています。

なぜかというと、
外壁に無垢の板を張るため、防火性能を満たすためには、
断熱材をGWにする必要があったから・・・
この辺は後日改めてご説明するので、割愛いたします。

矢川原がこれまで発泡ウレタンを標準的に使用したのは、
断熱・防音などの効果もあるのですが、
一番の理由は気密が取りやすいからです。

写真のように、筋交い等の裏側でもしっかり発泡して埋まってくれるので、
面倒な手間をかけることなく、適切な断熱施工が可能となるからです。

最近ではコストもだいぶ安価になってきてくれたので
非常に使いやすくなってきました。

気密測定の結果も安定しています。

先日の現場は、C値0.5という結果でした。
概ね0.4~0.6くらいが多く、1.0を上回ることはほぼありません。

GW断熱材については、
外貼り断熱材を推奨している業者の中には、
壁の中で結露が発生し、断熱材がずれ落ちた写真等を活用しながら、
悪者のように扱われることもありますが、
適切な施工を行えば、全く問題がなく、
コスト面からもとても優れた断熱材だと思います。

私自身、GWに悪い印象は全くないので、
今回使用することにも躊躇いはありませんでした。

ただ、丁寧な施工をしないと性能が発揮できないのも事実なので、
今回は、専門業者に施工まで依頼する形をとっています。

高性能GW16k120㎜を今回は使用しています。
弊社は桧4寸角(120㎜)を柱に使用しているので、
これが可能となります。
*一般的には3.5寸角(105㎜)なので、GWは100㎜又は105㎜となります。

コンセント廻りや躯体との隙間や配線等もきちんと気密処理されています。

実にきれいに施工されていますね。
これを見習いながら、
いずれ大工による施工に移行していきたいと考えています。

屋根には木質断熱材(シュタイコ)を使用する予定です。
同じようにGWを入れても良かったのですが、
今回は展示場ということもあり、思い切って変えてみました。

この断熱材は、
GWと比べると断熱性能はほとんど変わらないものの、
熱容量が高いという特徴があります。
これは熱を蓄える能力に優れているということです。

夏の日射を本体に蓄え、室内に通すことなく、
夜には外気温が下がることで、
もう一度、外部にその蓄えた熱を放熱していく効果があるとのこと。

室内空間がより快適になるそうで、その効果に期待しています。

私が一番に考えるのは、断熱・気密性能がきちんと確保されれば、
特に素材にこだわる必要はないのではないかということです。

こういった素材の開発は本当に早く、
次から次へと良いものが出てきます。

一つに縛られることなく、それらの情報を自分なりに吟味しつつ、
良いと思えるものをお客様にご提案したいと考えています。

ご共感いただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m

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