窓について考える ~見たい景色を切り取る~

こんにちは。
田中です。

自宅兼展示場の工事は、色々と矢川原では初の試みも多く、
苦労はしておりますが、概ね順調に進んでおります。
*ただ、ここから大工さんが別の現場に入ることになったので、
 一時的に中断となりますが・・・(;^_^A
 お客様が優先です(笑)

先日、待ちに待った木製サッシが納品され、
皆で協力して何とか納めることが出来ました。

まずは、引っ越し用のベルトを使って運びます。

この一枚のガラスで、なんと100K近い重量があるのです。
でもベルトのお陰で、非力な私でも割と簡単に持ち上げられます。

ただ、大きさがあるため転倒の危険は避けられず、
両サイドに人が立って支えながらの移動です。


そして、ここからはもっと大変。
電動ウィンチを用いて、釣り上げていきます。
落とさないことはもちろん、傷をつけないよう気を使います。

何とか設置できた時は、本当にホッとしましたね(*´ω`*)

なぜこんなに苦労して大きなサッシを入れているのかというと、
やはり、そこからの景色を楽しみたいというのがあります。

今回は展示場ということもあり、奮発して3ヶ所に木製サッシを使用しています。

最初の写真が、2階リビングのダイニングテーブルの前になります。
天気が良いと、この方向には山並みが見えるんです(*^^)v
ダイニングやリビングからはもちろん、キッチンに立つ奥様も
景色を楽しむことが出来る、この敷地で一番眺めの良いところです。

2枚目は畳コーナーのサッシです。
隣の実家の庭を借景にして、片引きで全開口できるサッシを付けることにしました。
窓の下にソファを置く予定なので、そこから庭を眺めることも出来ます。

最後の写真は、1階の寝室の庭の前です。
植栽をもう少し整えて、奥のフェンスにも手を入れたいと思っています。

これはお風呂からの写真です。

このように、見たいものに向けて窓を設置しています。
もちろん、これから庭などを造る場合は、
その場所に向けて窓を付けることもします。

大事なことは、明るくしたいからと、
ただただ、たくさんの窓を付けてしまうことがないようにすること。

窓の一つ一つにどんな意味があるのかを考えることが大事です。

「景色を見る」
「風を通す」
「光を取り込む」

などなど、窓には多くの機能がありますが、
複数の目的で用いることもあるとはいえ、目的を明確する必要があります。

窓が多く明るい家は、一見素敵な家に見えることも多いですが、
家具を置く場所がなくて困ってしまったり、
外から見えすぎてしまって、カーテンが閉めっぱなしになってしまっては、
それこそ意味がなくなってしまいます。

また、窓を減らし壁が増えることで、
人は、守られているという「安心感」を感じるという性質があります。

部屋の隅っこの方が落ち着くという「あの感覚」です。

「窓が多く明るい家が良い家である!」
という固定概念を一度無くして考えてみると良いかもしれません。

現在、建物を計画中の方は、
「この窓には意味はあるのだろうか?」
と問いかけてみるのもありかもしれませんね~。

窓は、光や風、景色といった取り込みたいものばかりではなく、
外を歩く人の視線など、時として避けたいものも取り込んでしまいます。

だからこそ、その土地の周辺環境を読み解き、
設計を進めることが大事になるのです。

このことを私に教えてくれた人が、建築家「伊礼智」氏です。

他にも好きな建築家は、たくさんいるのですが、
やはり一番影響を受けているのは、この方ですね。

こちらは、伊礼氏の著書です。
一番右側は、最近届いたばかり(*^^)v
読んでいて楽しい!

これから家を建てるという方も読んでみると良いと思いますよ。

私自身、まだまだ勉強中の身ですが、
少しでも、皆様に喜んでいただける設計が出来るように
より精進していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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