天井には照明をつけない?

こんばんは。
矢川原の田中です。

自宅兼展示場では、
内装工事も終了し、器具付けが行われました。

早速暗くなってから、
照明計画を確かめに現場に行ってきましたよ(*^^)v

こちらは、階段を上がった場所から2階リビング方向を見たところです。

ダイニングテーブルがないので、少しイメージしにくいかもしれませんが、
勾配天井のダイニングと小上がりの畳リビングが広がっています。

お気づきになるでしょうか?
天井に一つも照明がついていません。

あるのは、ダイニングのペンダントライトとTV台下の床を照らす間接照明。
そして、畳リビングのブラケット照明のみです。

少し暗い感じになりますが、
落ち着いた照明計画になったかな~と捉えています。

住宅デザイン学校で学ぶ建築家「伊礼智」氏。
その著書で照明計画についてこんなことが書かれています。

「灯りの重心を低くすること」・・・と。

一般的な天井付けのシーリングライトは空間を均一に明るくしてしまうため、
空間のメリハリがなくなってしまい、かつ灯りの重心が上がってしまうことに
繋がるのです。

背の高さ、目より下の位置、足元に灯りを付けることで、
重心を下げることを常に意識しているのだそうです。

こちらは、リビング側からキッチン方向をみたものです。
キッチン以外は全て壁付けの照明器具を選択しています。

天井の板張りが実にきれいに見えてくるのが
よく分かるかと思います。

こういった照明計画には、もう一つ理由があります。

暗いところにいると、
灯りがあるところに行きたくなる気持ちになりませんか?

灯りの灯る場所は、人の「居場所」になるのです。
均一にどこもかしこも明るくなると、逆に居場所がなくなってしまうとも言えます。

そして選ぶ照明器具もシンプルなものばかリにしています。

もちろん照明器具そのものの存在を楽しむ場面もありますが、
建築家「吉村順三」氏の言葉にこんな言葉があります。

「欲しいのは照明器具ではなくて灯りである」

凝った照明器具は存在感がありすぎて、
空間そのものを損ねてしまうことになりかねないということを
指しているのです。

この言葉は、自分にとってすごく印象深い言葉で、
大事にしているものでもあります。

空間を構成する床や天井の木材、壁の漆喰やタイルなどの
素材感を活かしてくれていると感じています。

こういった照明計画を暗いと感じる方もいると思いますが、
食事やリビングで寛ぐ場所にはそれぞれに必要な明るさがあるので、
実際にはそう感じることは少ないと思います。

この自宅兼展示場では、そんな体感もしていただきたいので、
夜の時間もご案内する機会を設けたいと考えています。

ご希望の方はぜひ見学の申し込みをしてください。

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