建材◆(株)イケダボーポレーション

『自然素材の家って発酵する家』だと思うんですよ。
木・紙・漆喰・石が少しずつ経年変化して、家族が住まうことで、傷とかもつけながら、だんだん深まっていくお家、というのを私はどんどん広めて行きたいなと思っています。

【担当工事】 建材
【名前】 株式会社イケダコーポレーション
担当:小林 祐子(こばやし ゆうこ)
【ニックネーム】 こばちゃん

【生年月日】 9月12日
【星座】 おとめ座
【出身】 大阪府
【趣味・休日の過ごし方】 土壁づくり・海外旅行

 

矢川原かわら版*「樹楽の家」を造る人達

      ※インタビュアー:渡部 香(以下:渡)

渡)この仕事をされるようになったきっかけを教えて下さい。

小)大阪出身で、この会社に入るため東京に来ました。元々石油関係の会社に勤めていて、この情勢の中でガソリンって、あまり未来がない会社だな、と思って。いくつか営業という仕事をしてきた中で、自分が自信を持って説明できる、両親や友達に薦められる商品を営業したいなと思いこの仕事につきました。

 

渡)仕事に対するこだわりとかポリシーはありますか? 

小)今私がお仕事していく中で、本当に何もこだわりがなくてとことん安くとういう方と、意識は高いけど何を使ったらいいかわからないという方、の二極化していると感じていて。安くて何でもいい、ではなく、何か芯を持った人達と一緒にお仕事がしていきたいと考えています。
そのような状況の中で、お施主さんがあまり知識がなくて、ちゃんとした知識をどんなふうに伝えたらいいかわからないと悩んでいる方が結構いらっしゃって。だから、私は最近、土壁作りのワークショップをして、一般の人に土壁を塗りながらお伝えするなど、お施主さん向けの発信を優先的に取り組みだしています。

渡)対業者さんではなく!?

小)業者を通り越して。お施主様の教育に走り出している。お施主さんに伝えることの中で、難しいなと感じたことを私ができるようになれば、縦関係の方向性じゃなく、業者同士横に並んで、お施主さんを一緒に教育していければと思っています。

渡)すごい!お施主さんから直接問い合わせが来たりするんですか?

小)問い合わせがきてお施主さんとお話しすることもあるんすけど、この間無農薬で、固定種しか栽培しない農家さんの集まりの会で健康なお家とは、というセミナーをやってみたり。

渡)そういうのも企画されて、やられているんですね。

小)はい。この間大学の先生と土壁の関係で知り合って、ライフデザイン学科という学科で(衣食住を高めることで、良い生活になるとうことを教えている大学)新建材の家と、自然素材の家の違い等の講義を30分ぐらい話ししてほしいと言われたり。

 

渡)仕事の面白味ややりがいはなんですか?

小)こだわり持っていろいろ企画されていらっしゃるんで、そういった部分が面白味だったり、やりがいにつながっていますよね。確かにお施主さんが知識を得られ、より良いものを選択し、使ってみたい、と思って来てくれた方が、有難いですね。


※イケダコーポレーションの皆さん

渡)一般のお客様向けに、知ってると得なことなどのアドバイスはありますか?

小)家造りで何が大切かをまずはお客様に一つ持ってほしいというのがあって。健康なのか、メンテナンスなのか、そのトライアングルの中で何を一番重視するのか。健康であれば、人間の吸う空気って、体内に入れるのは7割以上で、空気環境を良くするためにとことんこだわる。でも紙のクロスだとお絵描きとかをしてしまうと拭けないということもあるので、そこについては、メンテナンス方法をお教えします。

渡)オガファザーは塗装も何もしないでそのまま使われるお客さまもいらっしゃるんですけど、あの上にそのまま塗料を塗り重ねていく、ってことでたとえお絵かきしちゃっても、上から塗り重ねてしまえばいいですよね。ホコリもつきにくいとも書いてありましたよね。

小)そうなんです。樹脂が一切入ってないので。

渡)普通のクロス使っていると、気が付かない内にホコリが結構ついていて。個人的な疑問ですが、リフォームで使うのは厳しいでしょうか。

小)クロスからオガファザーに変えられる方います。手間はかかりますし、透湿素材というのは元々の石膏ボードの汚れとかをアクとして出してしまう可能性があったり、ノリが残ってるとそこがアクになって出てしまうこともあるので。衣裳として綺麗に仕上がらない可能性は否定できないです。でもお客様の一番は何か、健康なのか衣裳なのか、衣裳がすごく良いビニールクロスにしても、住んでいてつらくなるようなら、悲しいですし。

渡)アレルギーもあるので、うちはリビングと寝室は漆喰で、でも他はクロスなので、リフォームで使えるのか気になっていたんですよ。

小)ビニールクロスが汚くなってきてまた20年後にこうなるのか、って考えると、その時費用はかかったとしても、自分でローラーでくるくる塗れますし。うちにもスイス漆喰がありますけど、それは実は樹脂つかないと言われていまして、自分で自浄作用で白くなると言われています。ホコリが付いたり日焼けしたりするのは、中の樹脂が傷んでしまって、そこにくっつくものなので樹脂がゼロのスイス漆喰だとそれが起こらない。

渡)漆喰といっても違うんですね。後、展示場(山田)で断熱材、シュタイコ始めて使わせて頂いて。この間断熱材の業者さんがいらして、お話しをお聞きした時に、うちの屋根裏すごく暑いんですけど、屋根裏にも後から施工できると聞いて。

小)シュタイコ、製品自体もすごくいいですけど、会社がすごいなと思って。シュタイコは木の繊維で断熱材が作られているんですけど、木の丸太から柱の部分を取り除いて、パレットで使える細い部分を取り除いて、何にも使えないところを断熱材にしている。更に使えない皮とか枝の部分は、バイオマス燃料として工場で使っているんですよ。

渡)何も無駄にしない、ってことですね。

小)木一本、すべて使う。そのぐらい意識が高い工場で。

渡)どちらにあるんですか。

小)ポーランドとドイツとかですね。

渡)向こうは、レベル違いますよね。本当に無駄のない、資源は使い切る。

小)そこが本当にすごいなーと思っています。

渡)イケダコーポレーションさんの商品、どれもそういった物ばかりですよね。前の展示場でもリボス塗料使わせて頂いて、社長もそういった自然素材に対するこだわりが強くて、どんどんこだわり始めて、単価がどんどん上がってしまって(笑)でもそれを好ましく思ってくれるお客がうちに来てくれるのかなと思うので、目指すところ同じ方向で、一緒によろしくお願いします。

 

渡)プライベートの趣味とかお休みの時の過ごし方もお聞きしたいのですが。

小)土壁を土日にやったり。美里の児玉の方に行って、古民家の移住のワークショップや茅葺屋根の再生に行ったりしています。

渡)どれも興味深くて、楽しそうですね。

小)以前は普通に海外旅行とが趣味でした。

渡)海外旅行ってどちら方向ですか。

小)ヨーロッパ。英語はしゃべっれないんですけど、結構一人で行っちゃいますね。

渡)すごいですね。どこが一番おすすめですか。

小)スペインですね。スペイン・イタリア・チェコ・クロアチアみたいな。後は、旅行以外だと、実家で鳥を飼っていたので、鳥カフェに行ったり。行きつけの鳥カフェが大阪に(地元)にあって。

渡)鳥カフェなんてあるんですね。面白い!そこで癒されて。

小)鳥の指名とかも出来るんですよ。

渡)こんなふうに業者さんとお話ししていると、全く縁のなかった世界が見えてきて、本当に楽しいです。普段お会いしている人でも、お話し聞くと、意外な一面が見れて。

 

渡)これからの人生の目標、やりたいことは?

小)私今、築160年ぐらいの古民家を探しているんですよ。かやぶき屋根の。自分で手を加えて住みたいな、って。美里の市役所の人に相談しているんですが、なかなか難しいみたいで。

渡)壮大な夢ですね。自分でコツコツ造るのは楽しいですよね。まず物件探すのが大変ですけど。

小)そうですね、戦後の建物だと耐震がダメみたいで、その以前だと割とちゃんとしているようで。

 

渡)うちの社長や矢川原に対して、どう思われますか?

小)真面目に真摯に建物の良いものは何かを突き詰めてらっしゃるイメージがあります。でもここまで突き詰めている方は本当に少ないと思います。施主から要望があったからそれを使うという方はいらっしゃるんですけど、自分が信頼しているものしか使わない。

渡)自然素材で、とにかく良い商品が多いので、そういった会社とお付き合いされているのかと思っていたので、うちのような会社が多いのかと思っていたんですけど。

小)もちろんそういった方もいらっしゃいますけど、8割ぐらいは、お客様から要望があったから使うとか、良い感じの色だったから使ってみようかとか。

渡)自然素材でこういう物を求めてという方はまだそこまで多くないということですね。でもこれからじゃないですか、絶対いますよね。うちで自然素材を扱っているからなのか、アレルギーだから自然素材を使いたくて、そういった物を求めてくるお客様も結構います。

小)工務店紹介してください、といった連絡が入ることもあるんですよ。シュタイコをお施主さんが見つけてこられて、シュタイコが特殊なんで、今頼んでいる工務店に言っても前向きな気持ちになってくれない。

渡)やったこともない物は、ハードル高いですよね。うちもシュタイコに関してはお客様でなかなかやる方がいなかったので、展示場で初めてやらせていただいて。他の断熱材と比べて、施工は難しいですか。

小)中の断熱に関してはほぼ一緒です。はめ込むタイプと吹きこむタイプがあって、施工は難しくないです。ただ外周りの付加断熱をする場合はちょっと難しくはなりますが、この辺りだとそこまでのレベルは必要ないかと思います。施工は難しくないのに、わからない物は抵抗があるようで。

渡)うちもお客様から初めてみるもののご相談いただくことはありますけど、それは調べて対応させていただいていることが多いですね。その後他の現場でも使うかどうかは、使ってみての施工性等もありますのでわかりませんが、ただ問い合わせいただいてお客様が望んだものに関しては、できる限りお応えしています。

小)そういう対応をしてくれる会社は少ないですよ。

渡)保証とかそういう部分ですかね。

小)断熱材に関しては、保証の部分は言われたことがなくて。

渡)スイス漆喰は外壁でもやりますよね。そういうのも特に問題があったり、といことはありませんか。

小)10年以上前の外壁のトラブルはありました。外壁の汚れについて。汚れないわけではなくて、設計をうまくすることによって、汚れにくくなると今はお伝えしています。

渡)軒を出すとか。

小)そうです。

渡)それはそうですよね。どんな外壁材を使っても全く遮るものがなければ、そういった工夫をしなければ、直接外壁に雨風あたりますからね、汚れたり傷んだりしますよね。

小)雨たれとかそういった所を補助する物を付けたり、汚れた時は多少であればメンテナンス方法をどうやるか事前にご案内したり。1年に1回吹きかけておけば白いままですよ、という物を薦めたり。

渡)何を吹きかけるんですか?

小)キュラックスというジオ塩素酸を10倍くらいに薄めた物を霧吹きでかけると、雨だれの黒い感じの汚れを漂白します。真っ白になります。

渡)こういう方法があるから、前もって自分で気をつけていれば。結局、外壁自体はかなりもつと書いてありましたけど、耐久性は普通より高いんですかね。

小)耐久性」に関しては、地震とか特別なことがなければもちますね。メンテナンス性とういう意味でも、汚れとかキュラックス使っていただければ、特に定期的なメンテナンスは。上手く設計していただいた家であれば。上は軒、下はガルバ等でやった家なんかは。

 

渡)これだけが伝えておきたいことはありますか?

小)シュタイコをメインに推したいです。ウレタンとシュタイコ、どっちが健康になるか、といったら一目瞭然ですよね。シュタイコは木その物。(※画像をみながら)施工の方々が結構アレルギーなってしまう方いるみたいなんです。目に入ったら失明しちゃうし。そんな危険なものと隣り合わせってどうかと。

渡)シュタイコって隙間がなくて、施工も楽なのが売りなのかなーと思っていて。グラスウールとかはどうしても気密性にかけるのかと。そういう意味で隙間ができたりはしないんですか。

小)隙間は吹き込みの方法であれば大丈夫です。壁の熱欠損って面で取れたりもするので。将来的にはウレタンよりもシュタイコの方がもちます、ウレタンだと密着し過ぎて地震とかが起きると追随できなくて、そこから熱欠損になってしまうので。シュタイコは木なので、木に追随して圧縮で動くので、そういう部分でも優位です。沈下も実は繊維が絡み合っているので、普通のグラスウールよりも落ちないです。弱そうに見えて自然の力ってすごいんですよ。
個人的にお伝えしたいのが、『自然素材の家って発酵する家』だと思うんですよ。木・紙・漆喰・石少しずつ経年変化して、家族が住まうことで、傷とかもつけながら、だんだん深まっていくお家、というのを私はどんどん広めて行きたいなと思っています。

渡)味が出てくるということですね。うちも発酵する家をつくっているつもりです。

 

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