歴史ある街川越で半世紀、地域密着でやってきた私たち矢川原は山田地域を中心に、樹のぬくもりを感じ、そして末永く家族と共に歩んでいける、自分たちの夢やこだわりを叶える家をどうしたらカタチにできるかわからないと悩んでいる人たちのために、とことん親身になって相談にのり、“それぞれの想い”を重ねながら、時を経るごとに味わいを深める、裸足になってほっとするぬくもりある樹の住まいと、人生を楽しむ暮らしを提供することに生きがいを感じている工務店です。
以前は台所やお風呂だった場所を一つのLDKとして使用する形に。
屋根なりの勾配天井は空間を広々と感じさせるとともに、
屋根裏にあった梁を現しにすることで、良いアクセントなっています。
壁は漆喰で仕上げてあります。
お施主さま: Kさま邸
時期: 平成23年6月
施工内容: 建物全面改装(古民家再生)
~家づくりのエピソード~
築60年の住まいを建替えようか悩んでいたが、その材料の素晴らしさから大変ではあっても古民家再生工事とすることを決意。いくつかの業者と打ち合わせをする中、地元の工務店として知人より紹介を受けた弊社を選択いただきました。心がけたことは素材の良さを活かすこと。そして、使えるものはなるべく再利用することです。その結果、以前の建物では日の目を見ることのなかった素材を見る人がアッと驚くまでに仕上げていく事が出来たと思います。
―Before
こちらが以前の姿です。
家の形は変わっておりませんが、トタンの外壁や建具など、
ずいぶんと痛みが激しいのが見て取れますね!
ここはちょうど、掘り炬燵のあった場所になります。
DKとして活用されていたそうです。
―Process
2階のLDKとなる場所です。
重なった梁の形からわかるとは思いますが、
以前は全く使われていない空間をLDKとして使う形を取りました!
梁を見た瞬間にここはLDKにすると決めました(笑)
床下全てに鉄筋を入れて、既存の柱周りも含め補強し直しています。
基礎の高さを変えることが出来ないことが再生工事の難点ですが、
これで湿気が上がるのを防いでいます。
―After
逆方向よりもう一枚。キッチンは対面キッチンとしてあります。
工事後、親戚が集まることが多くなったとのことで、
会話も弾む対面キッチンは嬉しいですよね!
小上がり空間は、掘り炬燵を設置。
そして、その下は引出収納として活用しています。
小枝を引手に使用することで、雰囲気をよりやさしくしています。
2階のLDKです。
実はこの部屋、梁が低いのです。
それらを現しとすることで、空間の広がりを確保しています。
奥の壁は、外壁用サイディングをアクセントとして室内に使用しています。
1階のリビングとはまた違った素敵な雰囲気になりました。
こちらも前述している2階のLDKです。
屋根裏となっていて、全く使用されていなかった空間がこんな形で蘇りました!
大きな梁が幾重にも重なり、その迫力たるや圧巻です。
建物の歴史を垣間見ることのできる空間ですね!
収納をたっぷり備えた寝室は今後のことを考えてベッドが置ける洋室に。
続き間の和室も見事な差鴨居はそのままに、きれいに改修されました。
広い土間のある玄関は、この家の見どころの一つですね!
落ち着いた色合いの中、白木のままの格天井が良いアクセントになっています。
大きな梁や大黒柱、大阪格子の建具は磨き直して、
その存在をいかんなく、発揮してくれています。
応接室の奥には、はめ込み式の照明が!
こちらは、工事前より持っていた昭和レトロなガラスを使えないかとのことで、
応接室の照明として利用を提案させていただきました。
模様が可愛らしいですね!
見事に蘇りました!杉の腰板に漆喰の壁、腰壁の高さなどはCADパースを用いて、
何度も打ち合わせを重ねて決めたんですよ!
重厚感のあるいい雰囲気に仕上がりました。
裏側から撮影。
2階の手前に出っ張った部分は増築し、子世帯の水回りとして活用しています。
こげ茶の腰板に化粧の柱、漆喰の壁が何ともいいバランスです。
風格ありますね!
~担当者からのメッセージ~
お問い合わせいただき、初めて自宅に伺った際に目にした大黒柱や大きな梁、そして手の込んだ建具などに圧倒されたことをよく覚えています。2階の梁を見たときは、ここはLDKしかないな!と直感いたしました。
工事の過程では予期せぬ出来事も多く、社長が設計から監理まで全て行いましたが、大変苦労した現場です(笑) ですが、その仕上がりを見て喜んでくださっているお客さまの姿を拝見し、「やってよかった!」と心から思ったものです。
60年を経て、ここに蘇った住まいです。また、新たにここから家族の歴史を刻んでいただけば、何よりうれしく思います。