こんばんは。
田中です。
坂戸市にて新築中のA様邸。
平屋のようですが実は2階建てです(笑)
今月3日に上棟し、木工事が順調に進んでいますよ。
現在は屋根工事も終了し、サッシも取り付けられ、
住まいの形が大分見えてきました。
右の写真は玄関アプローチ方向より見た様子。
奥の高いところに、少し天井の低い二階があります。
パッと見た感じでは平屋みたいでしょ!(笑)
低く、落ち着いた佇まいになったのではないかと思います。
さて本題。
今回のブログのタイトルは「景色を切り取る」となっています。
なぜ、そんな表現をするのかというと、
敷地の周辺環境は自分で選べないですが、
見たいものと見たくものは自分で選ぶことができるということを
お伝えしたかったからです。
今回はどこを切り取りたかったのか、それは敷地西側に広がる山並みです。
基礎工事の時の写真がこちら。きれいでしょう~!
現場が進み窓がついて、最初にやること。
それは、外の景色がどう見えるかの確認。
とても楽しみな作業でもあります。
2階ホールや階段途中から潜り込むような形で作る
「ヌック」から山並みが綺麗に見えています。
あえて低い位置に窓を設けているのは、
座った高さを想定しているからです。
因みに「ヌック」とは、スコットランドで生まれた言葉で、
「心地よい小さな空間」「隅っこ」「少し隠れている場所」と
言ったような意味があります。
今回は座っていないと頭がぶつかってしまい、過ごせないような狭い空間ですが、
本棚を作り、好きな本を読んで過ごす場所となっています。
その時間の中で、ふと外を見るとそこには夕焼けに染まる山並みが広がる・・・
なんか良い時間が過ごせる気がしませんか?
そしてこちらは、1階の和室の窓です。
こちらもきれいに山並みが見えていますが、
実は、この窓の下には、隣の敷地の雑多なものが結構あるので、
あえて窓を高くして、山並みだけが見えるようにしてあるのです。
これが景色を切り取るということになってきます。
見たいものだけ見えるようにして、見たくないものは見えないようにする。
もちろん、植栽やフェンス等で調整することもありますが、
こちらは西側でもあるので、夏の日射遮蔽を考えると、
窓は小さい方が良いこともあるので、
この窓サイズを選択いたしました。
上手くいったかな~と感じています。
パッシブ的な考え方では、南側は窓をなるべく大きくして、
それ以外の窓は小さくするのが基本です。
冬の日射は最大限に取り込み、
夏の日射は出来るだけ防ぐことを前提とするからです。
ですが、南側には見たいものがほとんどなく、
他の方向に見たいものが広がっているならば、
私は、やはり見たいものを見ることを選択したいと考えています。
その上で、どのようにすれば日射を防ぐことができるかに
設計として組み込んでいきたいと思います。
住まいのどこで過ごす時間が、
その人を豊かにすることが出来るのか、
お客様と一緒にそこを考えていくことが出来れば、
より良い住まいづくりにつながると考えています。
ご共感いただけたら幸いです。